NY Times (英字新聞) から英語を学ぶ「霊長類からヒトの”寛大さ”を探る」

NY Times Science から。霊長類の動物研究から、人間が持つお互いへの”寛大さ”を見ています。チンパンジーは、道具を他へ寛大に分け与えるが、食べ物に関してはケチで、一方、食べ物が豊富な森に住むボノボは、食べ物を共有するのは寛大だが、道具をあげるのにはケチという研究結果を紹介しています。(必要性の無さから、ボノボはあまり道具を理解していないという事実にも触れています。)

 

Seeking Human Generosity’s Origins in an Ape’s Gift to Another Ape

Studying the behavior of our closest living relatives may help scientists better understand the human impulse for generosity.

猿同士のプレゼントの中に、人間が持つ寛大さの起源を探る

生きていて人間に一番近い親戚を研究することによって、科学者は人間が持つ寛大さへの衝動を理解しようとしている。

 

While it’s easy to dwell on our capacity for war and violence, scientists see our generosity as a remarkable feature of our species. “One of the things that stands out about humans is how helpful we are,” said Christopher Krupenye, a primate behavior researcher at the University of St. Andrews in Scotland.

人間が持つ戦争や暴力への能力に固執してしまうことは簡単であるが、科学者は人間が持つ寛大さを人類に特徴的なものとして見ている。“人間を他と区別するもの1つは、我々がどれだけお互いにとって役立ち”助かる存在“であるかという事です。” スコットランドの聖アンドリュー大学の霊長類研究者、クリスオファー・クルーペニヤ博士は言う。

Dr. Warneken and other researchers have carried out similar studies on children. They’ve found that even babies will spontaneously offer both food and objects to adults.

ミシガン大学の心理学者、フィリックス・ウォーネケン博士と他の研究者は、(クルーペニヤ博士のボノボの寛大さの実験)と同じような研究を人間の子供に行っていて、人間は赤ん坊でさえ食物とモノ両方を無意識に自発的に大人に与えるということを、見つけている。

 

The work of Dr. Krupenye and others makes it clear that humans aren’t unique in their generosity. It’s possible that our common ancestor with bonobos and chimpanzees were already prosocial, at least to a limited extent. And now our generosity expands beyond what he and other scientists observe in our closest relatives.

クルーペニヤ博士と他の学者の研究は人間だけが寛大な訳ではない事を明らかにさせた。ボノボとチンパンジーの共通の祖先の時点で既に、少なくとも限られた範囲で、”好社会的(社会的)” であった可能性があるということだ。そして今日、我々人間の寛大さは、博士達が霊長類に見出したものよりも遥かに膨らんでいる。

 

“We’re really good at realizing when other individuals could benefit from something,” said Dr. Hare.

“我々人間は、他の人が、(自分の手助けによって、相手が) 何か得るものがあるという事を、すぐに気が付くのに長けているのです。” デューク大学の霊長類学者、ブライアン・ヘア博士は言う。

 

This versatility may have evolved early in our lineage, producing traits that encouraged more sharing. It leads toddlers to have generous inclinations without any coaching.

この能力の臨機応変さは、我々人間の血筋の進化の過程で発達したもので、この特色が更に我々をして様々なものを共有し合うようにさせたのかもしれない。何も指導せずに赤ちゃんが他人に親切になるのも、同じところからきている。

 

Dr. Warneken notes that around five years old, children become more aware of their prosocial actions. They know that being generous is good for their reputation.

ウォーネケン博士は、人間の子供は5歳位で自分の社会的行動をより自覚するとする。親切になれば、周りからより良く受け取られると知っているのである。

 

It’s possible that after our ancestors evolved the tendency to be generous, they then evolved a brain capable of understanding norms. In turn, humans came to see the benefits of being generous.

我々の祖先が寛大さを進化させ、そこから社会的規範を理解するような脳の力も進化したと考えても良いだろう。結果として、人間は寛大さの利点に目をつけるようになったのである。

 

語彙・語法・文法・説明

Seek (out) ~  を探す  = look for

Human 人間の humanity 人類  親切さ humane 人間的な慈悲のある inhumane 非人道的な 

Generosity 寛大さ be generous 寛大 kindness 親切さ

Ape 猿  = monkey   primate 霊長類   primatology 霊長類学   ape ~ を真似する

Gift  ギフト プレゼント = present       gift 才能

Study ~ を研究する  = research (into) ~           examine  じっくり吟味する analyze 分析する Inspect ~ 検査する review 状況を調査する 確かめる  investigate 調べる

Behavior 行動や態度のさま   attitude 態度 action 行動

Closest living relative 生きているものの中で一番近い親戚 

Relatives 親戚 uncle 叔父  aunt 叔母  nephew 甥  niece 姪  cousin いとこ

Help (人) + 動詞原型 するのを助ける

Scientist 科学者   researcher 研究者   expert 専門家 

Impulse 衝動 思いつき  It was an impulse buy それは衝動買いだった。

Dwell on ~  に固執する dwell in 住む reside in ~ に住む  ものや性質が内在する  resident / inhabitant / dweller  住人

Capacity 能力 be capable of ~  ing  することができる

War 戦争 go to war with ~ over ~  を巡って~と戦争をする

Violence 暴力 violent 暴力的な

Remarkable 目を見張るような 驚くべき  言及すべき remark 言及 発言

Feature 特徴 = trait       feature ~  メディアで取り上げる 特集する = cover ~

Species  種(しゅ) (単・複数形 共にspecies)

Stand out 目立つ = stick out      prominent / conspicuous / distinct 顕著な 

How helpful we are  人にとって我々がどれだけ役に立つ助かる存在であるか 

Carry out  実行・執行する   =  do  perform   execute   implement    

Similar 類似の  be similar to ~  に似ている be different from ~  とは違う

Spontaneous その場のひらめきの   自然の  = impulsive / offhand  思いつきの  impromptu 準備無しで automatic (体が)自動的に反応した 

Object モノ 物体

Make it clear that ~  を明らかにする

Unique 独特の 他には無い

It is possible that ~  という可能性がある・と仮説づける事ができる

Common 共通の

Ancestor 先祖 predecessor 先に居た人 先任の人    descendant / offspring 子孫

Bonobos and chimpanzees  ボノボとチンパンジー 記事の説明では、最近のコンゴにあるボノボ保護施設で、二匹のお互い見知らぬボノボ達を2つの隣り合う部屋で窓を通じてお互いにプレゼントをし合える状況にし、片方にはヤシの実を5つ与え、片方にはそれを割る石を2つ与えた。結果としてヤシの実は共有されるが石はなかなか共有されない事が分かった。(石が無いと、ヤシの実は 食べるのに時間がかかる。) また別の実験でも、人間が棒を取るのをボノボに手伝ってもらうのに、彼らの名前を読んで助けを乞うても、からかったりするだけでボノボは親切にはならないとしている。一方チンパンジーは食料を共有する事にはとても消極的だとしている。

Prosocial “好”社会的    pro 好 + social 社会  社会的行動へ積極的 

To an extent ある程度 a limited extent限られた程度 

Expand  (爆発的に)広がる  spread (幅や範囲が) 広がる scatter 散らばる

Beyond ~  を越えて

Observe ~  を観察する observation 観察   observatory 天文台  

Realize ~ と・に気づく 認識する = notice  realization 気づき 

Benefit from ~  から利益を得る    benefit ~  に益をもたらす   beneficial 益となる benefit 益

Dr. Hare. ブライアン・ヘア氏は記事では霊長類学者として紹介されているが、“犬博士”としても知られていて、犬が他の動物よりも抜きん出て一番人間の頭の中を”読む”事に長けているとしている。http://brianhare.net/bio/ https://www.youtube.com/watch?v=EnbMRPp0w64 

Versatility 有用性 be versatile (人が)様々に能力を持っていて器用 (モノが)色々使えて便利

May have ~  したのかもしれない may 多分~かもしれない might ひょっとしたら~かもしれない

Evolve 進化する 変化する  advance / develop 発展する  evolution 進化論

Lineage  流れ 系統 流派  line 線 + age 年   (ここでは人間の動物としての進化の過程での種) 

Produce ~ を生産する product 製品 produce ~ を作る   Producer 生産者 

Trait 特質 特徴 = feature

Encourage 人 to ~  励まして~ させる

Share ~  共有する

Toddler 少し歩き出した赤ん坊 baby 赤ん坊 infant 乳児 fetus 胎児

Note ~  と述べる   気づく  note on ~   についてのメモ・一言・情報

Be aware of ~  を認知している 知っている 自覚している  awareness  意識 理解 

Reputation 名声

Tendency 傾向   penchant / propensity 性格的傾向    tend to ~  しがちである = be apt to ~      likely to

Be capable of ~  (やろうと思えば) をする能力や意志がある 

Norms 社会的規範 = social norms  / standards        the norm 普通・あたり前の事  平均

In turn 結果として、順に

Come to see 見る・理解するに至る

Benefits of being generous 寛大になることの益 記事では、(他人と、物などを共有しないといけないという)人間の社会的規範は、寛大さを越えて義務になっているとするウォーネケン博士の言葉も紹介している。

 

引用:2018/09/14 NY Times Science. Seeking Human Generosity’s Origins in an Ape’s Gift to Another Ape  から抜粋。https://nyti.ms/2N3bHHw

 

 

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